わたいりカウンター

わたいしの時もある

2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「さやか」がとりもつのは

題知らず 底清み流るゝ河のさやかにも はらうふることを 神は聞か南 よみ人知らず(拾遺/夏/133) 今日は6月末日。旧暦のこの日は夏最終日*1ということで、夏越の祓え*2が行われていました。それにちなんだ歌を持ってきたので、ちょっと聞いていってください…

月明かりのつめたさ

題知らず 冬の池の上は氷にとぢられて いかでか月の 底に入るらん よみ人知らず(拾遺/冬/241) 暑い日が続きますね。今日は歌だけでも冬のものを紹介したいと思います。 訳すなら「冬の池の上は氷にとぢられて」冬の池の表面は氷で閉ざされているのに「いか…

冷奴と夏の月

夏月歌よみけるに 山川の岩に塞かれて散る浪を 霰と見する 夏の夜の月 (山家集/上夏/246) 最近冷奴をよく食べる。食べるのだが、豆腐がどうやって作られるのかよく知らない。 今夜は冷奴の小鉢にキュウリとトマトを入れて食べていた。白に加えて緑に赤にと…

わかっていても

鶯の花の木にてなくをよめる しるしなきねをもなく哉鶯の ことしのみちる 花ならなくに みつね(古今/春下/110) 今日は梅雨明けになるかも知れないらしい。気象庁がやっぱり違ったと言わなければ。 制度上の判定はさておき、気持ち的には既に夏である。湿っ…

もし凡河内躬恒が上司だったら

久しくまうでこざりける人に送り侍りける水の面に生ふるさ月のうき草の うき事あれや ねを絶えて来ぬ躬恒(古今/雑下/976) 人に何かを尋ねるときは細心の注意が必要だ。 私がそれを学んだのはコンビニのレジ打ちの時だった。 マイバックを持っている人にはビ…

むかしの人

船岡の裾野の塚のかず添へて むかしの人に君をなしつる (山家集819)*1 なぜだかこの歌が気になったので、理由を考えていた。 下の句はいいとして、上の句にわからない語彙がふたつある。「船岡」と「かず添へ」だ。 「船岡」というのは火葬場があった土地…