わたいりカウンター

わたいしの時もある

2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

バイク屋の白いライト

初霜の置かぬだに濃きもみじ葉のそのさかりをば誰に見せまし (重之集/24) 昨日今日と外出をしていたのだが、乗り物代をけちって徒歩やら自転車やらを使っていた。そのため太ももが筋肉痛の気配を見せていて、こわくなって帰りがけにサバスを買った。 夜、…

道路に敷いてあるブルーシート

明日よりは若菜摘まむと標めし野に 昨日も今日も雪は降りつつ(万葉/巻八/山部赤人/1427) 乗り物代をケチって大通り沿いを歩いていると、車道の片側一車線が封鎖されていました。 見るとこれから工事が始まるという雰囲気で、メトロノームのように赤く光る棒…

くりかえし

暁の別の道を思はずは 暮れ行空はうれしからまし (拾遺/恋二/726) Splatoonに生活を破壊された、というよりも私がSplatoonで生活を破壊したんだよなと思うわけです。これは懺悔です。悪いのはゲームじゃなくて私なのだ。 更新が滞っている間に、漫画を紹介…

春のイメージ

とふひともなきやどなれどくるはるは やへむぐらにもさはらざりけりつらゆき(新勅撰/春/7) 人の来ない家にも、やってきてくれる春は幾重にも重なった葎をーー、なんでしょう。最後の「さはらざりけり」がすぐに意味を取れませんでした。 最初は、話題に触…

恋のはやさはパワー

shonenjumpplus.com おもしろかった~。猪*1と猿が友達の、野趣あふれる少女が恋をした!? 走り出したら止まらない爆速ほっこりラブストーリー!という感じでした。見開きとか魚眼構図とか、ちょくちょく絵がめっちゃ楽しいんすよ*2。でもやっぱりおすすめ…

二回確認するという自分語り

風をだに恋ふるはともし風をだに 来むとし待たば何か嘆かむ(万葉/巻八/秋の相聞/鏡王女/1607) 男子校の将棋部員だった頃、大会では相手が共学校ってだけで並々ならぬ闘志を燃やしていました。 歌を訳すなら「風をだに恋ふるはともし風をだに」風さえもね、…

日の目をみないと思ってた

出づる日の同じ光に四方の海の 浪にもけふや春は立つらむ(拾遺愚草上/初学百首/春二十首/1首目) 今日は、本当におそるおそる、誘われていた歌会を見学していました。そしたら、びっくりするくらい話をわかってくれる人がいてとても楽しかった。例えば、詞書…

求めれば

海の底沖漕ぐ船を辺に寄せぬ 風も吹かぬか波立たずして (万葉/巻七/雑歌/1223) 訳すなら「海(わた)の底沖漕ぐ船を辺(へ)に寄せぬ」沖に出て行った船が、岸に寄せてくれるような「風も吹かぬか波立たずして」風が吹かないだろうか、波は立たないで、という…

泣いて惚気を聞く

おもひかけたる人、寝たるを見てうき事に夢のみさむるよの中に うらやましくも寝られたるかな (実方集/152) 楽しみにしているものの発売日の前日なんかは、わくわくして眠れないということがありますね。けれど、それで眠れない夜を過ごすくらいなら、その…

心の色は

かつ濯ぐ澤の小芹の根を白み 清げにものを思わずもがな (山家集/下雑/1344) あらゐけいいちの漫画でピンクをいちごみるく色と形容する回がありました。 歌を意訳すなら「かつ濯ぐ澤の小芹の根を白み」澤でそのまますすいだ小ぶりな芹の根が白いみたいに「…

もみじの錦

このたびはぬさもとりあえずたむけ山 紅葉の錦 神のまにまにすがはらの朝臣(古今/羈旅/420) 私がSplatoon2を始めて今日で4年半ほど経ち、プレイ時間は2000時間に届こうというところ、ようやく念願だった全ルールXを達成できました*1。新作発売を今週末に控え…

宿題後回し癖

世の中を何に喩へむ朝開き 漕ぎ去にし舟の跡なきごとし (万葉/巻三/雑歌/沙弥満誓/351) 八月末に買い出しに行った時のことだ。スーパーの清涼飲料水エリアからエナジードリンクがごっそりなくなっていた。夏休みの宿題の追い込みにと求められたのだろうか…

川岸の石には雪が残ってる

泉川にして作る歌一首妹が門入り泉川の常滑に み雪残れりいまだ冬かも (万葉/巻九/雑歌/1695) この1週間ほど、自分の心の狭さやら、不安やらに心を奪われがちだったけれど、指定された待機・療養期間を経て、なんとかまた元の日常に戻りつつあります。 歌…

濃い影から

延喜御時、御屏風に夏山の影をしげみやたまほこの 道行人も立ち止まるらん貫之(拾遺/夏/130) 最近は、日が暮れればもう秋のような涼しい風が吹きますね。涼しくなってようやく、夏のいいところを考えるだけの余裕が出てきました。 冬にこたつにこもってア…

鶴に心をみる

松が崎千とせふる松が崎には群れゐつつ 鶴さへあそぶ心あるらし清原元輔(拾遺/神楽歌*1/607) 昨日、春の花を一緒に楽しんでくれない雁の歌のことを考えていたからか、この歌が目にとまりました。 例えば花札で描かれるように、鶴と松がめでたいものだとさ…

雁生の半分

歸鴈をよめるはるがすみたつをみすててゆくかりは 花なき里にすみやならへる伊勢(古今/春上/30) 「人生の半分損してるよ」というフレーズがありますね。誰かにコンテンツを勧めるときに用いられるこのフレーズを、私は複雑に思っています。意地悪に言葉尻…