シェルターみたいな実況動画

　ご飯を食べるときに見る映像が、テレビから動画サイトになって久しい。友達と気軽にゲームできるわけもなく、というかそもそも友達がそんなにいないというのもあって、ゲームの実況動画を憧憬やシンパシーを感じながらよく見る。今回はそんな動画の中から二つ紹介したい。

○【1-2-Switch】◆とにかく楽しげな雰囲気だけが伝わってくる動画◆

　投稿者グループの西美濃八十八人衆 は現在、稲葉百万鉄 (いなばひゃくまんてつ)と、 がみ、この二人で活動している。今回紹介するのは二人の実況だ。

　実況動画はたいてい10～20分ほどの物が多い印象だが、この”【1-2-Switch】◆とにかく楽しげな雰囲気だけが伝わってくる動画◆”シリーズは5分くらいのものが多くて気楽に視聴できる。ミニゲームを一種類ずつ初見で遊んでみるという動画なのだが……とにかく楽しそうなのである。

　「1-2-Switch」は二人で遊ぶテレビゲームのはずなのだが、主なゲーム体験は目の前の対戦相手との駆け引きにあり、ゲームは審判のような役割をする。ので、彼ら二人の間でどんな駆け引きが行われているかは、見ている画面からではわからずただ結果だけがわかる。しかしこの、何が起きているかわからないが大人の男二人がなんか楽しそうにゲームをしている、その音声が伝える屈託のない楽しさが希有なシリーズで「とにかく楽しげな雰囲気だけが伝わってくる」とはそういうことである。

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○マリオカート8DX でたわむれる 反逆の部下 全てを失うテレサ

　投稿者のシンは任天堂ゲームを主に投稿している実況者で、あまり大きな声を出したり暴言を吐いたりみたいなことがない、おだやかな実況が好きでよく見ている。

　ゲームの腕は決して下手ではない(むしろ上手いと思う)のだが、良い意味で意識が低く、意図的なバッドマナーには釘を刺しつつ、対人ゲームでも他者を気遣いすぎず楽しむことを優先していいのでは？と冗談交じりに話す人で、実際とても楽しそうにゲームしているので見ていて居心地が良い。

　特にマリオカート実況に顕著なのだが、軽率に調子に乗っては、どうしてそうなった？というような混沌とした状況に巻き込まれることが多く、そのたびに情けない声でぼやくのが伝統芸のような見所となっている。特に下記動画ではぼやきと状況のかみ合い方や、連続性が希有で折に触れて見返しては元気をもらっている。

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　ゲーム実況は自分のプレイしたことのあるゲームを観てる方が基本的には楽しいし、内輪ノリを楽しむ場、という側面もあり、おもしろさの雰囲気を伝えるのもとても難しいのでなかなか人に勧める機会がない。けれど一度波長の合う実況者を見つけられると生活のインフラが少し豊かになったようなうれしさがあるので、たまにチャレンジしていきたい。