わたいりカウンター

わたいしの時もある

境目は金曜日

立ちはなれ澤べになるる
 春駒はおのがかげをや友とみるらん
  (後拾遺/春上/46/源兼長)

 金曜日!先週はあまり実感がなかったけれど今週はとても金曜日です。行きに持っていた大きな荷物が帰りはなかったせいか、週末向けて足取りが軽やかになってしまった。
 
 冒頭の歌は、立ち上がり(主から)離れて澤辺に慣れ親しんだ春の馬は、自分の影を友だちだって思ってるみたいだ、という意味。
 馬なら、もしかしたら本当に影を友達と思ってしまうかもしれないし、自分の影と仲良くしようとしている馬を見ると、不思議と憐れむというよりも可愛いと思ってしまう。
 詠者が馬を遠くから見ていたなら、沢辺ではしゃいでいる馬が、水面に映る自分の姿を友と勘違いしていると想像した歌ということになる。兼長の目の付け所、膨らませ方が素敵である。
 私は馬と違って自分か他者かがわかる。だから、平日の自分と休日の自分はそんなに変わらない同じ自分だってわかる。それでも、とっても素敵なことが休日に待ってると期待してしまう。