わたいりカウンター

わたいしの時もある

にほひつつ

にほひつつ散りにし花ぞおもほゆる

 夏は緑の葉のみ繁れば

(後撰/夏/165)

 最近ドラクエ5をちまちまやっています。ゲームは一日30分まで。その掟を破ったり守ったりしながら親しんだ昔のことを思い出していました。

 歌を訳すなら「にほひつつ散りにし花ぞおもほゆる」美しく咲きながら散ってしまった花が自然と思い出されます「夏は緑の葉のみ繁れば」夏は一面緑色の葉っぱしか茂ってないので、という感じでしょうか*1

 一面同じ色の景色に、異なる色を見つけ出して詠まれた歌もあります。
 しかし、今回の歌は本当に一面緑一色で、その景色に想像の中で彩りを加えています。
 夏の歌ですから、最近までは山に花が鮮やかに咲きわたっているのを見ていた。それが目に焼き付いていて、つい思い出してしまう歌なのですね。
 実家のすぐ近くには山なんてなかったのですが、なぜだか共感できるような気がします。

 小さい頃は寝る前にゲームをやっていると、よく早く寝るよう促されました。いいところだったのにと、毎回思っていた気がします。いや、たまに本当にキリがいい時なんかも有りましたが、逆に悔しくて*2、結局ゲームに後ろ髪を引かれてばかりでした。
 布団に入って目を瞑っても、真っ暗の瞼の裏でゲームの画面がありありと浮かんでくるのです。

*1:参考:「後撰和歌集新日本古典文学大系

*2:宿題、今やろうと思ってたのに、みたいな感じでしょうか