海原の沖つ縄苔(なわのり)うちなびき
心もしのに思ほゆるかな
(万葉/巻十一/2778)
断続的に2年間プレイしていた『DEATH STRANDING』が、エンディングまでたどり着いてしまった。
配達はたのしい。*1
主人公は配達するためにいろんな道具を使う。崖から降りるのに縄を使うし、敵と対峙するときも縄が結構強かった。
物語をゲームをプレイさせながら伝える、その技の熟達をいたるところで感じた作品だった。物語の核心ではないけれど、明確に方向性を示した「縄」に最優秀助演小道具賞を贈りたい。
歌を訳すなら「海原の沖つ縄苔(なわのり)うちなびき」海の沖に生えている縄のように伸びた海苔ではないが「心もしのに思ほゆるかな」心がくたくたになるまで(あなたのことを)思っている、という感じでしょうか。
「海原の沖」ではなく、浜辺から近くの海にある海苔は、すぐに漁師に取られてしまって縄みたいになるまで伸びないのだろうと思います。
『DEATH STRANDING』は2019年の年末に発売されたゲームなので、だいぶ伸びてしまった感じがあります。
でもくたくたになるまでの2年間を縄をたぐり寄せるように思い出せるのがうれしいです。