わたいりカウンター

わたいしの時もある

2023-05-01から1ヶ月間の記事一覧

孤独濃いほど

数ならぬ身をうぢ河の網代木に多くの日をも過ぐしつる哉(拾遺/恋三/よみ人知らず) 「数ならぬ身をうぢ河の網代木に」人数にも数えられないとるにたらない我が身を宇治川の網代木(魚を獲る罠)に「多くの日をも過ぐしつる哉」(かかる多くの氷魚(ひを)じゃない…

期待って何?

岩倉の小野ゆ秋津に立ち渡る雲にしもあれや時をし待たむ(万葉/巻七/1368/雲に寄せる) 期待というものと上手に付き合っていくことができていない気がしてる。もうずっと。あまりにもお子様な気がしてしまって、しかし考えてもうまくいかないというか、なか…

気配だけ残ってる

唐錦 枝に一むら残れるは秋の形見をたたぬ(絶たぬ)なりけり(拾遺/冬/220/僧正遍昭/散り残りたる紅葉を見侍りて) 髪を、切りました。かれこれ二年くらい必要がなかったので伸ばしていたのですが、髪が伸びていない最近の証明写真が必要だったので切りました…

今にとどける

天の川雲の水脈(みを)にて早ければ光とどめず月ぞ流るる(古今/雑上/882/題知らず/よみ人知らず) 別に矢が飛ぶ様を見たことはないけれど「光陰矢の如し」と聞いてもなんとなく腑に落ちる。どうしてかと考えると、代わりに思い浮かべているのは、たぶん夜に…

回顧は今際にツケ

旅先で、電車の中で反対側の長椅子の背にある窓に流れる景色をぼうっと眺めていた。筋向かいに座る男性は頭を自分の膝のあたりまで倒して器用に眠っていて、のどかだなあと思ったのだが、よくみると彼の足元、座席の下にちょうど隠れるようにしてスマホが落…

イデア急いても

わがやどのきくのかきねにをくしものきへかえりてぞこひしかりける(古今/恋二/564/(無記名)) 以前紹介した拾遺1021雪をうすみ垣根に摘める唐なづな〜では触れなかったのだけれど、改めて考えてみると「かきね」が登場する恋うたであるということが重要な気…

かくてひとりの旅終わる

忘れじの人だにとはぬ山ぢかな櫻は雪に降りかはれども(新古今/雑中/1665/摂政太政大臣(藤原良経)) 今日はおおきい魚を見にいった。日曜で人出が多くて魚も興奮していたのか、単に最近は暖くてなのか、とても元気によく泳いでいて癒されたり元気をもらった…

はためく白の帯

今日はランダムな辞書のページの項目でひとりワンドロ(ライ?)をやりました。 項目は「石匠」でした。 久々だったので一時間書いて終わらず、結局一時間加筆修正しました。 百人一首の2番は緑と白のコントラストが好きです。春過ぎて夏きにけらし白妙の衣干…

わずかな春の距離に静寂が

雪を薄み垣根に摘める唐なづななづさはまくのほしき君哉(拾遺/雑春/1021/女のもとになづなの花につけて遣はしける/藤原長能) 人との距離感とか、短歌との距離感のことを考えていたのでこの歌が気になってしまいました。訳すなら「雪を薄み垣根に摘める唐な…