わたいりカウンター

わたいしの時もある

20230615

『わかりやすいはわかりにくい?』鷲田清一 を読み終わったのだけれど、書いたりする前に、ざっともう一度再読したい気持ちがある。 もやしときゅうりとなすの炒め物を三杯酢で味付けしたらまあ薄味になった。でもソースと鰹節で再調整したらリカバリーが利…

鶴を見ている自分も見てる?

難波潟潮干に立ちて見渡せば淡路の島に鶴(たづ)渡る見ゆ(万葉/巻七/1160/摂津にして作る) 「難波潟潮干に立ちて見渡せば」難波潟の干潟で立って見渡すと「淡路の島に鶴(たづ)渡る見ゆ」淡路島の方へ鶴が渡っていくのが見える*1。 淡白な歌で、それはそのま…

重ならない自他の今

今もかも大城の山にほととぎすなきとよむらむ我なけれども(万葉/巻八/1474/夏の雑歌/大伴坂上郎女、筑紫の大城の山を偲ぶ歌一首) 言葉の上では感情をあまりあらわにしない歌だけれど、なぜだか、さびしさを感じられる歌で引き込まれました。 訳すなら「今…

20230613−14

・「嘘喰い」最後まで読んだ ・仕込みと運、負け方 ・制御できる範囲への挑戦 ・最後に天命に飛び込む意志 ・敗者の描かれ方! ・動機とシステムの派手な往復・三杯酢に鰹節とごま油おいしい ・なすとピーマンをレンチンした・助けられ、助けること ・互助主…

20230612

かなりとりとめのない雑記です。 万葉集だとか、昔の歌をかいつまんで読んでしまいがちなのですが、最近はごくごくゆっくりと短歌研究年鑑2022を読んだりして現代短歌にも親しんでします。 「奥」というテーマで選歌しているときに、万葉集では 近江の海沖つ…

いろんな人が乗れる船

近江の海沖漕ぐ船に碇おろし隠りて君が言待つわれぞ(万葉/巻十一/寄物陳思/2440) 家で相手の言葉、たぶん送った歌の返事かなにかを待っている歌なのだけれど、「隠(こも)りて」を導く序詞のスケールが大きく、ちょっとずれているところが味わい深い気がし…

20230611

・みそコチュジャンほっけうどん・万葉集の「こもり」が気になる・書くために書いちゃってるかも・曖昧な雨雲にちょっと降られた・ちゃんと、読むために読みたい

「煤く」煤っぽいってどんな感じ?

難波人葦火焚く屋の煤(す)してあれど己が妻こそ常めづらしき(万葉/十一/寄物陳思/2651/作者未詳) 「難波人葦火焚く屋の煤(す)してあれど」難波の人の葦(の束で)火を焚いた室内みたいにすすけてはいるけれど「己が妻こそ常めづらしき」私の妻ってやっぱり…

一度聞いたら

奥山の木の葉隠れて行く水の音聞きしより常忘らえず(万葉/巻十一/寄物陳思/2711/作者未詳) 先日、寝床に蚊が出た。暑いのに泣く泣く布団をかぶって寝たが、結局足を刺されて目が覚める。小一時間捜索するも断念し再び睡眠に努めたが、結局寝不足のまま朝を…

雨の日の

笠無みと人には言ひて雨つつみ留まりし君が姿し思ほゆ(万葉/巻十一/奇物陳思/2684) 訳すなら「笠無みと人には言ひて雨つつみ」笠がないので、と人には言って雨に降り込められて「留まりし君が姿し思ほゆ」留まっていた君の姿が自然と思い出されるなあ*1、…

ハードルと機運は反比例

●箇条書きで書き始めると自分へのハードルが低くなってたすかる●オクトパストラベラー2をちょっと進めた。 ・ソローネの3章で、どっちもとてもよかった ・ゲームにおける物語の演出のすばらしさ (宝箱とかモンスター、ドロップアイテム) ・要素がひとつの…

心あらば

・転職活動で書類通って面接したやつがお祈りされた。鏡を見るたびに証明写真を思い出し、芋づる式にそのことを思い出しては、目を閉じて少しだけ上を向くなどしていた。・じゃが玉人あたりの値段が落ち着いてきたのに加えて、なすピーマンなどの夏野菜もい…

8小節

・ ・ ・・・・ だだっ子には待てないかハラヘリからっとした風浴びたらカフェに 春と夏の境目のメニューのタルト買うとかありねそれ9こ 黒い服着た親戚らと食べたふと気づく今人生黄昏か ひざまで浸かる死の気配にしあわせ浮かぶ日持って帰り道

孤独濃いほど

数ならぬ身をうぢ河の網代木に多くの日をも過ぐしつる哉(拾遺/恋三/よみ人知らず) 「数ならぬ身をうぢ河の網代木に」人数にも数えられないとるにたらない我が身を宇治川の網代木(魚を獲る罠)に「多くの日をも過ぐしつる哉」(かかる多くの氷魚(ひを)じゃない…

期待って何?

岩倉の小野ゆ秋津に立ち渡る雲にしもあれや時をし待たむ(万葉/巻七/1368/雲に寄せる) 期待というものと上手に付き合っていくことができていない気がしてる。もうずっと。あまりにもお子様な気がしてしまって、しかし考えてもうまくいかないというか、なか…

気配だけ残ってる

唐錦 枝に一むら残れるは秋の形見をたたぬ(絶たぬ)なりけり(拾遺/冬/220/僧正遍昭/散り残りたる紅葉を見侍りて) 髪を、切りました。かれこれ二年くらい必要がなかったので伸ばしていたのですが、髪が伸びていない最近の証明写真が必要だったので切りました…

今にとどける

天の川雲の水脈(みを)にて早ければ光とどめず月ぞ流るる(古今/雑上/882/題知らず/よみ人知らず) 別に矢が飛ぶ様を見たことはないけれど「光陰矢の如し」と聞いてもなんとなく腑に落ちる。どうしてかと考えると、代わりに思い浮かべているのは、たぶん夜に…

回顧は今際にツケ

旅先で、電車の中で反対側の長椅子の背にある窓に流れる景色をぼうっと眺めていた。筋向かいに座る男性は頭を自分の膝のあたりまで倒して器用に眠っていて、のどかだなあと思ったのだが、よくみると彼の足元、座席の下にちょうど隠れるようにしてスマホが落…

イデア急いても

わがやどのきくのかきねにをくしものきへかえりてぞこひしかりける(古今/恋二/564/(無記名)) 以前紹介した拾遺1021雪をうすみ垣根に摘める唐なづな〜では触れなかったのだけれど、改めて考えてみると「かきね」が登場する恋うたであるということが重要な気…

かくてひとりの旅終わる

忘れじの人だにとはぬ山ぢかな櫻は雪に降りかはれども(新古今/雑中/1665/摂政太政大臣(藤原良経)) 今日はおおきい魚を見にいった。日曜で人出が多くて魚も興奮していたのか、単に最近は暖くてなのか、とても元気によく泳いでいて癒されたり元気をもらった…

はためく白の帯

今日はランダムな辞書のページの項目でひとりワンドロ(ライ?)をやりました。 項目は「石匠」でした。 久々だったので一時間書いて終わらず、結局一時間加筆修正しました。 百人一首の2番は緑と白のコントラストが好きです。春過ぎて夏きにけらし白妙の衣干…

わずかな春の距離に静寂が

雪を薄み垣根に摘める唐なづななづさはまくのほしき君哉(拾遺/雑春/1021/女のもとになづなの花につけて遣はしける/藤原長能) 人との距離感とか、短歌との距離感のことを考えていたのでこの歌が気になってしまいました。訳すなら「雪を薄み垣根に摘める唐な…

波立つ解釈は違う?

山のまの渡るあきさの行きて居むその川の瀬に波立つなゆめ(万葉/巻七/1122/鳥を詠む) 「山のまの渡るあきさの行きて居む」山の間を飛んでいくあいさ(という川鳥)が行って降り立つ、「その川の瀬に波立つなゆめ」その川の水面に波よ決して立たないでくれ*1…

昔の歌に沈むのは

峰高く鳴き渡るなり呼子鳥 谷の小川の音響(とよ)むまで (為忠家初度百首/98/頼政) 高い峰の上で鳴き続けている郭公(の声)は、谷の底の小川の流れる音に寄り添うまでに響いている*1。 音の位相がきもちいい。それに、わたしはあんまり大きな音は苦手なので。 …

20230427まで

安くて重宝していたスーパーで買ったキャベツが、テープを剥がして外の葉を剥くと悲しい感じになっていた。怒り……は不思議と湧かず、気づけたのかなという自分への悔いとか、そこそこ安く提供するためにはこういうことも起きてしまうんだろうか、と現状をや…

もとの心ばへ

ここで書く文章で紹介するのを、和歌だけじゃなくて小説とか音楽とかにも範囲を広げたり、そもそもただの日記だけの回も作ったりと、筆者と対象の距離や文章感の統一感(連続性?)をちょっと手放そうかなと(元からあったかはわからないけれど、わたしなりに…

冬の歌の温度感

散りかかる紅葉流れぬ大井河いづれゐせき(堰)の水のしがらみ (定家八代抄/巻六/冬/485/大納言経信) 最近は四月の暮れだというのにどうも寒くて、冬の歌を読んでしまった。夏にアツアツなものを食べれば涼しくなるように、冬にヒエヒエのものを食べたらあた…

編者は並のやつじゃあない

宇治川は淀瀬なからし網代人舟呼ばう声をちこち聞こゆ(万葉/巻七/山背(やましろ)にして作る/1135) この歌に限らないのですが、詠まれた景や内容を考えてるうちに急に、以前もこの歌を紹介したのでは?と不安になって書くのを止めることがあります。そんな…

背中を眺めてるとき

古(いにしへ)にありけむ人も我がごとか三輪の檜原(ひはら)にかざし折りけむ(万葉/巻七/葉を詠む/1118/人麻呂) この歌の「古にありけむ人も」昔の人も「我がごとか」私とおんなじようだっただろうか、と昔の人の後ろ姿を共感をもって想像している様子を見て…

いつ音量をマックスにするか

泊瀬川白木綿花(しらゆうはな)に落ち激(たぎ)つ瀬をさやけみと見に来し我を(万葉/巻七/雑歌/河を詠む/1107) 「白木綿花」というモチーフのよさが炸裂している歌を見つけたので紹介したい。 「泊瀬川白木綿花(しらゆうはな)に落ち激(たぎ)つ」泊瀬川(の流れ…